日本よもやま話

魯山人と氷下魚とぼんじりを語るグルメな人が失墜する話

大人 乳 生 まっこり

大川さんは日頃から、食べ物に関して非常にうるさいところがあります。歴史のあるお店から、ちょっといい七味を買っていたり、魯山人の米の炊き方がなんやかんや、なんて話もされました。あとは自宅で自分が料理(おそらくたまに)した時はその調理方法を僕にしつこく話り続け、いかに美味かったかを一日おきに話してきたりします。実にうんざりです、一生料理しなければいいのに。

※大川さんというのは会社の別部署にいる仲の良い20歳年上の人。詳しくは年配の人とガリガリ君を食べて恥ずかしい思いをした話を御覧ください。

そんな食通ぶった大川さんと会社帰りに老舗の焼き鳥を食べにいった時の話。

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こまい(氷下魚)

店に入り瓶ビールを注文した後、メニューにざっと目を通すと、その中に「こまい(氷下魚)の一夜干し」なるものを発見。確か「おつまみ」みたいな欄にあったので、なんとなく「ししゃも」みたいなもんだろうな、と想像します。ちょっと食べたかったので、大川さんに「こまい」を知っているか聞いてみます。

「こまいって知ってますか?」
「こまいって言ったら、アレだよ。北海道に旅行に行った時に…」長いので省略。
「ししゃもみたいな感じで骨ごとガブっと食えるんだよ。骨ごと食うとうまいぞー!」
「すいませんこまいの一夜干しを人数分下さい」
「あと適当に焼き鳥を…そうね、盛り合わせで。あ、盛り合わせにぼんじり入ってる?入ってない、じゃーぼんじりも人数分頂戴。」

一人で盛り上がって注文しちゃったよ、と心のなかで突っ込みつつ、僕も食べたかったのでここは良しとします。ビールとお通しが運ばれて来たので、ひとまず乾杯。その後、料理が運ばれてくるまで、こまいで一気に火がついてしまった北海道旅行の話と、いかにぼんじりが好きか、と言うことを何度も何度も大川さんに繰り返し語られます。

「お待たせしました、こまいの一夜干しです。」

店員さんがこまいを運んできてくれたんですが、大川さんの話から想像していたこまいよりあきらかに大きく、骨ごと食べると絶対に口や喉に刺さる大きさです。ためしに少しだけ骨ごとかじってみる…と言うかかじりつきます。太い…このままでは絶対に骨を飲み込めないので、細かく細かく噛み砕いてやっと飲み込みます。

これは絶対骨ごと食べるやつじゃないと思うと同時に、大川さんに「これ骨ごと食べるんですよね、美味しいですか?」と尋ねると、「う、うまいよー」という返事が返ってきました。日頃、魯山人の米の炊き方とか語っちゃってるので、引くに引けず絶対やせ我慢をしてる事を確信し、笑いをこらえます。

そんなこんなで他の人とも談笑をしつつ、こまいの骨を残して身だけ綺麗に食べ終わったので、食べ終わった骨を置こうと元のお皿を見ると…なんということでしょう。大川さんは骨ごと食べているはずなのに、お皿には人数分のこまいの骨が乗っていたのです。

もしかすると他の人も気づいていて、あえて突っ込んでないのかもしれませんが、耳にタコができるくらい「こまいは骨ごと食べる」と聞かされていた僕としては納得がいかなかったので、「あれ!?人数分、こまいの骨がお皿にあるんですが、何故でしょう?」とやってやります。

大川さんは、慌ててiphoneを取り出し、こまいの一夜干しの食べ方を検索し、そこに骨ごと食られます、と書かれているのを指さし、な、な。とやっていました。心のなかで、「そういうことじゃねーんだよ、さっき骨ごと食べておいしいって言ってたじゃねーか」と突っ込みつつ、大川さんの訴えを黙殺します。

ぼんじり

次に焼き鳥の盛り合わせがやって来ました。「数が多いので、2回にわけますね」と店員さんが持ってきてくれた最初のお皿から、一串取りパクリ。さすがにに老舗だけあって旨い。

「このモモめっちゃ美味いですね!」
「何言ってるんだよ、これはぼんじり。このぼんじり美味いなー」

いや、あきらかにモモなんですよこれ。あんまりに自信満々にぼんじりと言い張るものだから、ちょっと不安になってきた瞬間。

ゴトッ(お皿を置く音)
「こちらぼんじりになります」

ぼんじり美味いなーって言ってる人がいるのに、ぼんじりが運ばれてきた。何を言ってるのかわからないと思うが、俺も何を言ってるかわからない…やっぱりこれモモやんけ!

この後、こまいを骨ごと食べる話に始まり、ぼんじりとももを間違える舌で魯山人を語るとはどういう了見か、という事を問い詰めたことは言うまでもありません。

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