ジャンクです。
30代なかばを迎えました、より人の役に立つ仕事ができるようになるため、偉大な先人たちの人生観や仕事観がアウトプットされたビジネス書を読み漁っています。
今日Kindleで読み終えた”ザ・ラストマン 日立グループのV字回復を導いた「やり抜く力」”の感想を綴っていきます。
-ひとことメモ-
人生観、仕事観などの観念的なものから、V字改革に導くまでに行ったマネージメントまで幅広く当事者視点で書かれています。
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★Amazonのレビュー評価(2017年12月時点)は「4.5/36件」。
リーマンショックの影響を受け、7000億円を超える巨額の赤字が見込まれる非常事態の中、69歳にして日立の社長に就任。約3年で業績を文字通りV字回復させた「川村 隆」さんの経営手腕が描かれています。
読みたい!という衝動と同時に、どういう心境で仕事に望んでいたのか、どんな改革を施したのかなど湧き出す興味を抑えることができませんでした。
川村 隆(かわむら たかし、1939年12月19日 – )は、日本の実業家。東京電力ホールディングス取締役会長[1]。みずほフィナンシャルグループ社外取締役[2]。元日立製作所取締役・代表執行役会長兼執行役社長、同相談役[3]。元日本経済団体連合会(経団連)副会長[3]。
心にささった文章を引用しながら、「ザ・ラストマン 日立グループのV字回復を導いた「やり抜く力」 | 川村 隆」をまとめます。
「ラストマン」には「自分がこの課題の最終責任をとる」「何かあったときは責任をとれ」という意味が込められている、というわけだ。
結局、自分がやるしかないな──そんな感覚で、しかし楽観的に、淡々と実行を続けることこそが重要です。
本のリード文にも掲載されている「自分の後ろにはもう誰もいない」を意識し、行動に移していくことだと解釈できます。
記憶が曖昧ですが、自己啓発本「思考は現実化する | ナポレオン・ヒル」でも同じような事が書かれていたように思います。
ラストマンになる、という事を意識している場合としていない場合では、同じ内容の作業をこなしていても成長率に大きな違いがあらわれる事を実感ベースで感じています。
これは仕事にかぎらず、スポーツなどにも同じことが言えのではないかと思います。
サッカーをしている9歳の息子がいるのですが、まだ早いかなとも思いつつ、ラストマンの概念を噛み砕いて話しました。
「この間の大会でAチームがベスト8位で負けたね(息子はベンチ)。自分が出ていたらどうだったかな。結果はわからないけど、自分が出場してチームを勝たせると思えるかな。」
「そうだね、3ヶ月後の大会までにレギュラーになって、チームを勝利に導けるよう努力しよう。」
だいぶ簡略して書いていますが、概ね上述したような事を話しました。
ラストマンを意識することで、試合に負けて悔しい、試合に出られなくて悔しい、という気持ちが3ヶ月後の大会までにレギュラーになる、という具体的な目標になりました。
もちろんチームワークや仲間との関係性もあるので、ラストマンを意識するあまり独善的にならないよう気を付けないといけませんが、9歳の男の子が自発的にコミットできる目標を設定できた事は、大きな成果だと思いました。
仕事にしてもスポーツにしても、手法やテクニックを重視する前に自分が納得してコミットできる目標設定をする、心構えとして非常に良い概念ですよね。
項の冒頭にも書いたように、「改革は、スピードさえあれば何とかなる」ものが多いと私は考えています。逆に、目まぐるしく世界情勢が変わる今の時代に、昔のようにあらゆる部署の要求を聞き、みなが納得するような案を導き出すようなやり方をしていたら、改革はできません。結論が出るころには、他の企業ははるか先を走っているでしょう。
「日立時間」と揶揄されるように、大企業ならではの意思決定の遅さが大きな問題だと捉え、スピード感が重要だと説かれていました。
ルールを策定したタイミングではベストな手法でも、常に時間は流れていて、社員の人数や時代の流れなど、最適解は移りゆくので定期的な見直しは非常に大事ですね。
策定してからの期間が長いほど、ルールを変更しようとした時の圧力も高まるはずなので、そういった事を予め見越して、適切なタイミングで社内から声が上がるような仕組みを作りたいところ。
経営方針や経営計画のような大きな決断はトップダウンで下し、現場レベルの提案はボトムアップで吸い上げるという二つの働きが循環しているのが、企業として理想的な姿だと思います。
まだまだ経験が足りないため、企業のトップと現場(従業員)というふうに考えると、そういうものか、とどこか他人事のように捉えていました。
ブログを書きながら、改めて考えてみると部下や子供とのコミニケーションにおいても同じことが言えそうです。
部下や子供に作業をお願いするにあたって、”これをこうしなさい”という指示になってしまわないよう特に気をつけています。
なぜかというと指示した内容を100%正確にこなすことがゴールになってしまい、それ以上のクオリティで作業が行われないばかりか、個人の成長に繋がらないためです。
おそらく部下が現場に置き換わっても、本質は変わらないのではないでしょうか。
一つの会社においても、緊急時を切り抜ける方法は同じです。どんな企業であっても、再生するための原則は次の二つです。 ・出血を止める ・キャッシュを生む事業を見つける この二本柱に沿って、戦略を立てていきます。
短くまとめられていますが、経験を伴った中身の詰まっている言葉。
これも前述したルールを見直すのと同じで、黒字でうまくいっている時にも折を見て事業を見直すと良さそうだと思いました。
非常に勉強になります。
そんな私でも日立の改革の牽引役を担えたのは、「意思決定したことを、実行できた」という、ごく当たり前の理由からでしょう。 そして、それを実現させたのはとてもシンプルな五つのプロセスです。 ①現状を分析する ②未来を予測する ③戦略を描く ④説明責任を果たす ⑤断固、実行する
5つのプロセスを箇条書きで簡潔に書かれていますが、7000億の赤字を立て直す事を考えると、この1つ1つが並大抵ではないことが容易に想像できるのではないでしょうか。
莫大な赤字を立て直すときでも特別なスキルが必要なわけではなく(求められている責任や作業精度に差があれど)、仕事の基本は同じだということに非常に勇気づけられました。
部下に対して「オレの立場にもなってくれよ」という上司もいるようですが、それを部下に求めたらリーダーの資格はありません。部下のほうが経験も足りず立場も違うのですから、上司の気持ちを汲み取れ、というほうが無理なのです。
この文章を読んで「○○さんだ!」と頭に浮かんだ昔の上司がいました。
「自分の後ろにはもう誰もいない」というラストマンの心構えがあれば、部下に対して言わない言葉ですよね。
部下に対してだけでなく、取引先や部署間の派閥などに巻き込まれた場合も同じ事が言えそうだなと思いました。
大変な立場なんですよ、と周囲に同意を求めたくなった時はラストマンの自覚が足りないのだと、自分を見直す機会にしたいと思います。
「7000億の赤字を抱えた会社を立て直すために社長になっていただけませんか。」
まるでゲームか映画のオープニングのようですね。自分を育ててくれた会社からこの依頼を受けたとき、あなたはOKできるでしょうか。
この仕事を請け負った人の覚悟、V字回復させるまでどんな事があったのか、なかなか体験できない貴重な経験を読めて本当に勉強になりました。実績の伴う文章は本当に説得力がありました。
実績のある方の判断を基準にし、自分だったらどうしていただろう、同じように考え、行動できたか、できないと感じた場合、今の自分には何が足りないのだろう、など考えながら読みすすめると非常に面白いので、おすすめです。
ダイジェスト形式で自分の気になった箇所をお伝えしてきました。拙い文章で恐縮ですが、この本の魅力が少しでも多くの方に伝われば幸いです:)
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