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俺しか2が不評なわけ/夜鳥子(ぬえこ)と一族のミスマッチ

夜鳥子(ぬえこ)

ついに15年の時を経て発売された「俺の屍を越えてゆけ2」ですがAmazonやネットで評判を見てみると、辛辣なコメントが並んでいます。

これらの書き込みの8割は「夜鳥子(ぬえこ)」というキャラクターに美味しいところを持って行かれて、自分の一族が全く物語に関われていない、といった疎外感に集約されているようです。

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なぜ俺屍がユーザーの支持をこれほど集めたのか

俺屍2で評価を下げている原因を話す前に、今回ユーザーが疎外感を感じている原因になっていると思われる、「俺の屍を越えてゆけ」の何を楽しんでいたのかについて書きたいと思います。

プレイステーションで発売された俺屍ですが、発売当初から爆発的に売れるといったことはありませんでした。発売から時間をかけながらじわり、じわり、と売上を伸ばしていき、PSアーカイブスに登場したことで、その勢いが大きく加速しました。

ドラクエやFFといった有名どころに比べ、どちらかと言えばマイナーなゲームがなぜこれほどまでにユーザーの支持を集めたかというと、主人公の一族は2年程度しか生きられず、神様と交神(子供を残す)して世代交代を繰り返しながら、一族の悲願である酒天童子という鬼を討つ、という一風変わったゲームシステムが大きく評価されました。

どんなゲームシステム?

FFやドラクエといった一般的なRPGのように、常に物語の渦中にいてストーリーを進めていきながら最後のボスを倒す、といった側面は薄く、普通のRPGのであれば、何十時間もかけて進んでいくストーリーを何故手天童子を討たなければならないか、の1点に集約させプレイヤーに「酒天討つべし」を強く意識させた後、ゲームがスタートします。

何度も同じダンジョンに通い、ザコ敵やダンジョンのボスをを倒して奉納点をため、ためた奉納点で神様と交神して子供を残し、世代交代を繰り返して一族を少しずつ強くしながら最後のボスである酒天童子討伐を目指すという感じのシステムになっています。

どういうところが支持されたのか

一般的なRPGであれば、クリアしたデータを他の人と比べてみた時、その違いは例えばLVであったりステータスであったり、アイテムや装備だったり。例外もあると思いますが、ユーザはそのゲームを通して同じ道筋を通って、同じようなイベントを体験し、ゲームクリアに至っているはずなんです。

ところが俺屍の場合、クリアした時のデータを他の人と比べた場合、クリアしたという点を除くと、何から何まで違うわけです。

わかりやすい例を挙げると、シミュレーションゲームや競馬ゲームを思い浮かべて下さい。例えば競馬ゲームを遊び始めて、ダービーを制覇する事が、ゲームクリアの条件だったと仮定します。クリアした時のデータを他人と比較して、何世代も配合を重ねダービーを制覇した馬が他人と同じ馬、なんていう事はまずありえませんよね。

もしかすると、馬が持っている能力の数値が同じといったことは、ありえるかも知れませんが、その馬に辿り着くまでの配合や制覇した重賞、ダービーを制覇した時点でそれぞれのプレイヤーに歴史が生まれていて、一人として同じ体験はしていないはずだし、もう一度最初からプレーすると前回クリアに至った道筋とは違う道を歩んでいくはずです。

この競馬ゲームと同じことが俺屍では起こります。一般的なRPGのプレイ日記をブログにアップしようとすると、物語がどう進んで○○が仲間になって、のようにネタバレを多く含む同じような内容になってしまいがちですが、俺屍の場合、一族にブサイクだけど、とんでもない素質を持った子供が生まれたとか、一族のあの人が逝ってしまったとか、ストーリーではなくユーザの体験が書かれるため、お気に入りのブログを見つけて、特定のブログだけをみるのではなく、色々なユーザのブログを読むのが楽しかったり、そんな遊び方が!のような発見があったりしたわけなんです。

こういったオリジナルの体験に自分の脳内妄想で補完したストーリーを付与し、プレイ日記やプレイ動画としてアップされたコンテンツが面白いと評価され、徐々に火がついていき、一見小難しそうなシステムだと敬遠していた人も、それらの動画やブログを見て楽しみ方を知り、プレイした結果、やはり面白いと。このような形でユーザーの支持が集まり、年月をかけてジワジワ売上を伸ばしていきました。


※余談
これを書きながら思ったのですが、ドラクエシリーズで5だけは何度もプレイしているんですが、今回はどのモンスターを仲間にできるか、今回こそはスライムを最後までパーティーに入れたい、といった遊び方があり、辿り着く先は同じですがその過程を楽しめたからな気がしてきました。

最近のRPGに必ずといっていいほど実装されている、クエストも本来的にはこういった楽しみを提供するためのツールなのに、ゲームの寿命を延ばすためのツールに置きかわっている事が多いから、面白くなく単調作業となってユーザーの批判を招くのでしょうね。

夜鳥子について

夜鳥子(ぬえこ)
さて、むちゃくちゃ前置きが長くなりましたが、なぜ俺屍2に対する風当たりが強いのか、について書いていきたいと思います。

先ほど俺屍1では十人十色のプレイ体験があり、それが強くユーザーから支持されている理由だと書きました。俺屍2が批判されているのは「夜鳥子」という存在への依存度が物語を通して強く、これがユーザーからの批判につながっています。

夜鳥子とはなんぞや

俺屍を世に送り出したゲームデザイナー桝田省治さんが描くライトノベルの主人公「鬼切り夜鳥子」。

桝田さんはインタビュー内で夜鳥子を登場させた経緯を語っています。

まず、『俺屍2』の物語として、一族の中に違った存在を入れたいと思っていたんです。異物が入ることで異物じゃないものが引き立つ効果を狙った部分がありますし、一族じゃないものが一族に憧れて少しずつ距離が縮まっていくドラマ展開を描きたかったこともありました。

その一方で、前作にはない新職業を考えていく中で、その登場タイミングが課題になりました。RPGの続編で職業が増えるのはお約束ですが、前作の8職業でゲームとしてのバランスは完成しているので、陰陽士や鬼頭といった新職業は、最初から登場させるとバランスブレイカーになりかねません。そう考えると、新職業は途中参戦させて、プレイヤーに基本職業がどんなものか理解してもらってから使ってもらうのがよいだろうと。

そんな流れで考えたのが式神を召喚する職業で、最初は召喚士と呼んでいましたが、のちに陰陽士となっていきました。そのビジュアルを考えた時に、夜鳥子以上にしっくりくるものがなかったんです。彼女は僕が過去に書いた小説の登場人物で、“刺青として描かれたものを実態化させて戦う露出度の高い女性”です。もともと小説の『鬼切り夜鳥子~百鬼夜行学園~』の挿絵も佐嶋さんでしたし、『俺屍2』も佐嶋さんなので、親和性も高かったですね。

引用元:電撃 – 『俺の屍を越えてゆけ2』桝田省治氏インタビュー。

俺屍2のレビューコメント集

処刑される一族

Amazonレビューの大半がこういったコメントで埋め尽くされていて、中には乗っかってるだけなんじゃないの?と思うコメントもあるのですが、今作を残念に思っているファンからのコメントが多いのも事実。そういったファンの真摯なコメントを抜粋してみます。

僕は非常に「俺の屍を越えてゆけ2」を楽しんでいるので、立ち位置として俺屍2に対してポジティブなユーザーだと考えて下さい。

手放した理由は、皆さんが仰る通り夜鳥子です。

正直、キャラクターとしては嫌いではありません。
買おうか買うまいか迷っていた所、夜鳥子のキャラクターデザインが発表され、
好みのビジュアルに林原嬢ボイスと畳み掛けられ、思わずポチッてしまったくらいなので。

しかし、いかんせん夜鳥子のキャラクターがでしゃばり過ぎました。
余りの夜鳥子ageに居たたまれなくなり、所持期間最短記録で手放した次第です。

引用元:Amazon/俺の屍を越えてゆけ2

桝田さんのゲームは、ゲームシステムが斬新で、シナリオがぞくぞくするほど面白くて、リンダの頃から大好きでした。
なので正直、これがそうとは信じられません。それほど、肩透かしを食らった気分です。
プレイしていて、ちっともストーリーに引き込まれない。すべては夜鳥子が本格的に絡んできてからです。彼女の存在が、ゲームシステムにおいても、シナリオ展開においても、プレイヤーを置いてけぼりにします。

引用元:Amazon/俺の屍を越えてゆけ2

「俺屍」で一番すごいと思っているところは、「システムで物語を作る」という点でした。
ワーネバなどのゲームにも共通することですが、土俵が用意され、そこで自由に動けるのです。
自分の想像力次第で、一見同じ作業ですら物語になってしまうという感覚、
二度と同じプレイはできないランダム性は、時に奇跡のような感動さえ生み出します。

今回の「俺屍2」は、その根底にあるものを崩してしまったと感じました。
物語はプレイヤーが作るものであり、俺屍について言えば「強大な敵を討つ」が目的であるだけでいい。
その敵のバックボーンやイベントなどは、おまけ程度で、興味がある人には深く楽しめるくらいで良かったのです。
(実際、私が「俺屍」についての神々の設定や細かな真相などを知ったのはリメイクが出た頃でした)

引用元:Amazon/俺の屍を越えてゆけ2

夜鳥子の何が反感を買っているのか

この投稿の最初に書いたように、ユーザーはゲームクリアに対する圧倒的な目的を与えられた後、文字通りそれぞれの一族史を何より楽しんでしたんですが、俺屍2では、「夜鳥子」の登場によりプレイに縛りが出来てしまいました。

その1:夜鳥子によるプレイの制限

まずストーリーを進める上で4つの祭具を奪還しないといけないのですが、当然各祭具を奪還する際にはボスと戦闘になります。このボスを倒してストーリーを進めるためには、必ずパーティーに夜鳥子がいる状態でなくてはいけません。必然的にパーティーに夜鳥子を組み込まねばならず、4枠中1枠が埋まってしまい、一族だけでのプレイが出来ません。

その2.手に塩かけた子供たちが、NPCではないんだけどゲーム側の登場人物にどうやっても敵わない(長期間プレイすると違うかもしれません)

夜鳥子は一族と同じ期間(長くて2年程度)しか生きられませんが、何度でも転生する事ができます。通常、一族は交神の儀を行って子供を残し、世代交代を何度も行って強くなっていくのですが、夜鳥子は交信の儀を必要とせず奉納点を支払う事で、何度でも転生できます。また、転生を行うことでステータスが上昇していくのですが、一族よりもステータスが高めに設定されているため、労せず一族史(一族の記録)に登場する歴代素質NO1を獲得してしまうことも不評の要因になっているようです。

確かに悩んだ末に交神相手の神様を選び、失敗を経験し、やっと生まれたスーパー当主様を、一族ではない転生しているだけの夜鳥子さんが軽々と越えていくのは、ユーザーとしては面白くないですね。

その3:夜鳥子中心のストーリー

4つの祭具を取り返す度、少しづつストーリーが進んでいくのですが、前作とは違いイベントの内容は一族のものではなく、宿敵晴明と夜鳥子の過去が少しづつ明らかになっていくという感じ。俺の一族の屍を超えていく夜鳥子さん❤といった感じで一族の疎外感は否めない


■ドラクエ5で例えると
必ずパーティーに爆弾岩を入れないといけない。
主人公一族を強くしてもメガンテには敵わない。(ちょっと違うけど)
物語を進めることで次々と明らかになる爆弾岩と魔王の関係。

ゲームデザイナーの桝田省治さんにTwitterで突撃するファン

桝田さんがTwitterで俺の屍を越えてゆけ2に対する企画をずっと呟いていたので、大変な事になっているんじゃないかと検索してみると、案の定突撃したファンとのやり取りがまとめられていました。

PSV「俺の屍を越えてゆけ2」 がファンたちから大不評でツイート大荒れに!桝田省治さん「多くの前作ファンの期待を裏切ったことは明白」 : えび通

これを受け、桝田さんは「多くの前作ファンの期待を裏切ったことは明白なので、不満の内容を分類し個々の原因を特定し、今から何ができるかを考えることが僕の仕事だと思います。」とツイートしています。

批判に対する個人的な意見

確かに夜鳥子を前面に出しすぎてユーザーが求めていた「俺の屍を越えてゆけ2」ではないかも知れません。ただ僕個人としてはめちゃくちゃ楽しんでいます。この投稿で、なぜ楽しめているかを本当は書こうと思っていたのですが、あまりにも長文になってしまったため理由は次回の投稿に回したいと思います。

書きました!
それでも面白い俺屍2!おすすめしたい遊び方

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コメント

  1. nono より:

    折角途中まではいいまとめだと思っていたのに最後の感情むき出しの内容で台無しになっています。
    もうちょっと客観的な記事ってないのかなー

    • Junk より:

      nonoさん

      コメントありがとうございます、ご指摘いただいた事を考えた結果、僕がAmazonレビューで嫌な気持ちになったように、ブログを読んでいる人に不快な思いをさせる可能性があるな、と思い該当部分を削除しました。

      ブログを読んでいる人の気持を考えず書きなぐってました。お見苦しい物をお見せして申し訳ありません。

      コメントで指摘されなければ不快な思いをさせる可能性に気づかずにずっと掲載していたと思います。

      ありがとうございました:)

  2. ごーじん より:

    どうしても気になったので。
    ×指示
    ○支持

  3. なし より:

    朱点童子ですよ。
    二年も前の記事なのでどうでもいいんですけど。
    1をプレイしたことある人なら絶対間違えない箇所だと思うんですが…。
    筆者の方は多分2しかやってないから2を評価してるのではないですかね。

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